本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、投資元本を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。
時間指定で売買するEAは作れます。MT4のEAは内部で時刻を判定できるため、「この時間帯だけ新規建てする」「この時刻で決済して撤退する」といった動きは標準の機能だけで実装できます。ただし何を時間で絞るかによって実装の手間と注意点が大きく変わります。当社 EA CreatorsLAB は開発元として時間トリガー型のEAを設計・販売しており、本記事では時間指定でどこまで指定できるのか、依頼前に何を決めておけば話が早いのかを整理します。投資判断はご自身の責任で行ってください。
- 時間指定EAは作れる。MT4のEAは時刻判定を標準で持っている。
- 指定内容は4段階に分かれ、段階が上がるほど仕様の詰めが必要になる。
- 最大の落とし穴はサーバー時間と日本時間のズレと夏時間。
- 依頼前に決めておく項目は6つ。ここが曖昧だと見積りも納期も伸びる。
- 既存EAを持っているなら、新規制作より時間フィルタの追加のほうが安く済む場合がある。
- 時間で絞ると取引回数は減る。回数と優位性のどちらを取るかは設計判断。
時間指定で売買するEAは作れるのか
結論として、時間指定で売買するEAは作れます。MT4のプログラミング言語であるMQL4には現在時刻を取得する関数があり、EAは価格を受け取るたびに「今が何時何分か」を判定できます。したがって「9時から11時の間だけ新規注文を出す」「23時になったら保有中のポジションを決済する」という動作は、特別な外部ツールを使わずに実装できます。
実際、当社 EA CreatorsLAB が開発・販売している CatchGBPJPY は、時間トリガー型のデイトレEA(GBPJPY / 5分足 / MT4専用)として設計しています。相場の方向を予測するのではなく、特定の時間帯に現れやすい値動きの偏りだけを取りに行く構造です。時間指定は「おまけの機能」ではなく、戦略の中心に据えることもできる要素です。
時間指定EAが標準機能で実装できる理由
EAは「新しい価格が届くたびに呼び出される処理」を持っており、その中で時刻を参照できます。判定に使うのは取引サーバーが持っている時刻で、これを時・分に分解して条件式に組み込むだけです。つまり時間指定は、移動平均線やRSIといった指標の計算よりも構造としては単純です。
単純であるがゆえに、実装そのものより仕様の決め方でつまずくことが多くなります。「何時から何時まで」という数字は決まっても、その時刻が日本時間なのか取引サーバーの時刻なのか、夏時間で1時間ずれる期間をどう扱うのか、といった前提が抜けたまま話が進むと、完成後に「思っていた時間と違う」という食い違いが起こります。この点は後半で詳しく扱います。
時間指定EAと裁量トレードの違い
裁量で「この時間帯だけ触る」と決めていても、実際には相場が動いているとつい手を出したり、逆に指定した時間にパソコンの前にいられなかったりします。時間帯以外の判断も含めてルール全体をEA化できるかは 裁量のマイルールはEAにできるか で整理しています。EAにすると、この揺れがなくなります。決めた時間に決めた条件で判定し、条件を満たさなければ何もしません。時間を守ること自体を自動化できるのが、時間指定EAのわかりやすい価値です。
一方で、EAは指定された時間の外では判断を放棄します。裁量なら「今日は例外的に相場が大きく動いているから触ろう」と柔軟に動けますが、EAは指定外の時間には反応しません。この割り切りを受け入れられるかどうかが、時間指定EAが向くかどうかの分かれ目になります。
時間指定でできることの4段階
ひとくちに時間指定と言っても、依頼される内容は4つの段階に分かれます。段階が上がるほど決めるべきことが増え、見積りにも影響します。自分の希望がどの段階にあたるかを把握しておくと、依頼時のやり取りが短くなります。
段階1: 稼働時間を絞る指定
最も多い依頼が「決めた時間帯だけ新規エントリーする」というものです。開始時刻と終了時刻を入力項目として持たせ、その範囲内でのみ売買条件を評価します。範囲外では新規注文を出しません。実装は単純で、既存のロジックに条件を1つ足す形になります。
注意点は、時間帯をまたぐ指定です。たとえば「22時から翌2時まで」のように日付をまたぐ場合、単純な大小比較では条件が成立しません。日をまたぐ指定をしたい場合は、依頼の段階でその旨を伝えておくと実装漏れを防げます。
段階2: 決済時刻を決める指定
「持ち越したくないので、23時になったら建玉をすべて閉じる」という指定です。デイトレ型のEAでは定番の要件で、週末やスワップ、早朝のスプレッド拡大を避ける目的で使われます。エントリー側の時間指定とは別の設定として持たせるのが一般的です。
ここで決めておきたいのが、含み損を抱えたポジションも時刻で閉じるのかという点です。「利益が出ているものだけ決済し、含み損は持ち越す」という指定もできますが、その場合は持ち越し中のリスク管理をどうするかまで決める必要があります。曖昧なまま進めると、想定と違う動きになりやすい部分です。
段階3: 曜日と日付で分ける指定
「月曜の午前は動かさない」「金曜は早めに手仕舞う」「月初の数日は休む」といった指定です。曜日ごとに稼働時間を変える、特定の曜日だけ決済時刻を早める、といった形になります。設定項目が曜日の数だけ増えるため、入力画面の設計も含めて相談することになります。
年末年始やクリスマスのように、流動性が大きく下がる期間を避けたいという要望もここに含まれます。日付を直接指定する方式にするか、運用者が手動で停止する運用にするかは、更新の手間との兼ね合いで決めます。毎年変わる休場日を自動判定させようとすると仕様が膨らむため、当社では手動停止を前提にした設計を選ぶことが多くあります。
段階4: 指標発表を避ける指定
「米雇用統計やFOMCの前後30分は新規建てしない」という要望です。これが4段階の中で最も要件が増えます。理由は、指標の予定日時をEAがどこから知るかという問題があるからです。
方法は大きく2つあります。1つは、指標の日時をあらかじめ設定ファイルや入力欄に登録しておき、EAはそれを読んで避ける方式。もう1つは、外部から経済指標カレンダーを取得する方式です。前者は仕組みが単純で動作が安定しますが、毎月の登録作業が運用者に残ります。後者は自動化できる代わりに、外部サービスへの依存と通信設定が増えます。どちらを選ぶかで費用と納期が変わるため、依頼時に希望を伝えておくと見積りが早くなります。
時間指定が効く理由と効かない場面
時間で絞ると成績が良くなるとは限りません。効くのはその時間帯に参加者の顔ぶれが偏っている場合で、偏りがない時間帯を切り取っても取引回数が減るだけになります。ここを理解しないまま時間指定を入れると、期待した効果が出ないことがあります。
時間帯によって値動きの個性が変わる仕組み
為替市場は24時間動いていますが、参加者は時間帯ごとに入れ替わります。東京時間の午前は日本の実需の動きが出やすく、欧州勢が入ってくる夕方以降は流動性が上がって値幅も出やすくなります。同じ通貨ペアでも、時間帯によって動き方の性格が違うわけです。
当社開発・販売の CatchGBPJPY が時間トリガー型を採用しているのは、この性格差を利用するためです。相場の方向を当てにいくのではなく、特定の時間帯に出やすい偏りだけを取りにいく設計にしています。設計の詳しい考え方は ポンド円EAを時間帯で仕掛ける理由 にまとめています。なお最新のフォワード成績は商品ページで公開しており、稼働中のため数値は変動します。
時間指定で取引回数が減ることの意味
時間を絞れば、当然ながらエントリー機会は減ります。1日中稼働するEAが月に100回取引していたとして、2時間だけに絞れば取引回数は大きく落ちます。回数が減ると、成績が偶然に左右されやすくなり、検証で「本当に優位性があるのか」を判断しにくくなります。
そのため時間指定を入れる場合は、検証期間を長めに取って取引回数を確保するという手当てが要ります。半年のバックテストで数十回しか取引がないなら、その結果だけで判断するのは危険です。検証の考え方は EAバックテストのやり方 で整理しています。
時間指定EAの依頼前に決める6項目
依頼のやり取りが長引く原因は、ほとんどが前提の決め忘れです。以下の6項目を先に決めておくと、見積りも実装も早くなります。当社が制作を承る際にも、この6点は最初に確認しています。
| 1. 基準にする時刻 | 日本時間か、取引サーバーの時刻か |
| 2. 夏時間の扱い | 切り替え時に1時間ずらすか、そのままか |
| 3. 新規と決済の区別 | エントリー時間と決済時刻を別に持つか |
| 4. 時間外の建玉 | 持ち越すか、時刻で閉じるか |
| 5. 曜日の例外 | 金曜の早じまいなど、曜日別の指定があるか |
| 6. 変更のしやすさ | 時刻を入力欄で変えられるようにするか固定か |
6項目のうち特に決め忘れやすい点
この6項目のうち、依頼者が見落としやすいのは1番と6番です。1番の時刻の基準は、決めていないと完成後に「1時間ずれている」という指摘につながります。6番の変更のしやすさは、運用を始めてから「もう30分だけ早く動かしたい」と思ったときに効いてきます。時刻を入力欄で調整できるようにしておけば、そのたびに作り直す必要がなくなります。
仕様の伝え方そのものに不安がある場合は、EA仕様書の書き方 に項目別の整理方法をまとめています。文章でうまく書けなくても、箇条書きと具体例があれば制作側は読み取れます。
時間指定EAでよくある失敗と回避策
時間指定は仕組みが単純な分、運用環境に起因する食い違いが起きやすい部分です。当社が制作や改修を承る中で繰り返し見てきた失敗を3つ挙げます。どれも事前に決めておけば避けられます。
失敗1: サーバー時間と日本時間のズレ
最も多い食い違いがこれです。EAが判定に使うのは取引サーバーの時刻であって、パソコンの時計や日本時間ではありません。サーバーの時刻は業者によって異なり、日本時間との差も業者ごとに違います。「9時に動かしたい」と伝えて9時と設定しても、それがサーバー時刻の9時なら日本時間では別の時刻になります。
回避策は単純で、どちらの時刻を基準にするかを最初に決めておくことです。日本時間で指定したい場合は、サーバー時刻との差を設定できるようにしておけば、業者を変えても同じ感覚で使えます。
失敗2: 夏時間の切り替えを考えていない
欧米には夏時間があり、切り替わる時期にサーバー時刻と日本時間の差が1時間変わります。冬に合わせて時刻を設定していると、夏になってから狙いの時間帯が1時間ずれます。ロンドン市場の開始に合わせていたつもりが、実際には開始前や開始後にずれている、という状態です。
対応は、夏時間の期間だけ時刻をずらす仕組みを入れるか、切り替え時に運用者が設定を手で直すかのどちらかです。年に2回の手作業を許容できるなら、手動のほうが仕組みは単純で壊れにくくなります。自動化したい場合はその旨を依頼時に伝えてください。
失敗3: バックテストと実運用で時刻がずれる
検証に使うヒストリカルデータの提供元と、実際に運用する業者とで、サーバー時刻の基準が違うことがあります。この状態でバックテストをすると、狙った時間帯とは別の時間帯を検証していることになり、実運用の成績と食い違います。時間を戦略の中心に据えたEAほど、この影響は大きく出ます。
回避するには、検証に使うデータの時刻基準を確認し、必要なら時差を補正して検証します。ここを揃えずに出した検証結果は、実運用の参考として使いにくくなります。バックテストの精度そのものについては Tick Data Suite(TDS)とは?料金と使い方 でも扱っています。
既存EAに時間フィルタを足す選択肢
すでに使っているEAがあり、そこに時間の条件を足したいだけであれば、新規に作るより改修のほうが費用を抑えられる場合があります。ロジック本体はそのままに、新規建ての判定に時間条件を1つ加えるだけで済むためです。
改修で対応できるかを分ける条件
改修が成立するかどうかは、ソースコード(mq4ファイル)があるかで決まります。ソースがあれば時間条件の追加は比較的短時間で済みます。ソースがなく実行ファイルしか手元にない場合、中身を書き換えることはできないため、同じ動きを作り直す形になり、費用は新規制作に近づきます。
また、市販EAの場合は改造が販売者の規約で禁じられていることがあります。手元にソースがあっても、規約上は手を入れられないケースがあるため、事前の確認をおすすめします。権利まわりの整理は EA制作の著作権は誰のもの? にまとめています。
時間指定EAの制作を依頼する進め方
当社 EA CreatorsLAB は、EA・インジケーターの制作および改修を承っている開発工房です。時間指定を含むEAの制作依頼は、次の流れで進みます。最初に決めるのは前章の6項目で、ここが固まっていれば見積りは早く出せます。
依頼から納品までの流れ
やり取りは、要望のヒアリングから始まります。「何時から何時まで動かしたいか」「その時間に何をしたいのか」を伺い、実現方法と工数を整理して見積りをお出しします。仕様が固まったら制作に入り、動作確認用のサンプルで挙動を見ていただき、問題がなければ納品という流れです。当社では仕様書の作成と動作確認用サンプルの提供、納品後30日の無償保証をお付けしています。
費用は指定の段階によって変わります。段階1や段階2のような単純な時間指定であれば、既存ロジックへの追加は小規模な改修として扱えます。段階4の指標回避まで含めると、判定に使う情報の持ち方から決める必要があるため、工数は増えます。相場の考え方は EA制作依頼の費用相場 で内訳を公開しています。
依頼前に自分で確認しておくとよいこと
依頼の前に、狙っている時間帯に本当に値動きの偏りがあるのかを、ご自身のチャートで一度確かめておくことをおすすめします。時間指定はあくまで「絞る」仕組みであって、優位性そのものを生み出すものではありません。偏りがない時間帯を切り取っても、取引回数が減るだけで終わることがあります。
依頼全体の進め方や、初めて依頼する場合に迷いやすい点については EA制作依頼の完全ガイド にまとめています。時間足そのものの選び方で迷っている場合は EAの時間足の選び方 もあわせてご覧ください。
EAではなく「チャートに表示するだけでよい」場合は、インジケーターとしての制作になります。依頼の流れと費用の内訳はインジケーター作成を依頼するとどうなる?にまとめています。
時間指定EAについてよくある質問
- 時間指定は日本時間で指定できますか?
- できます。ただしEAが内部で見ているのは取引サーバーの時刻なので、日本時間で指定したい場合はサーバー時刻との差を設定できるようにしておきます。この差は業者ごとに違うため、どちらを基準にするかを依頼時に決めておくと食い違いを防げます。
- 夏時間の切り替えは自動でできますか?
- 自動化もできますが、仕組みが増えるぶん確認する箇所も増えます。年2回、切り替え時期に設定を手で直す運用にすれば、構造は単純なままで済みます。当社では運用の手間と壊れにくさを見比べたうえで、どちらにするかをご相談しています。
- 指標発表の前後だけ止めることはできますか?
- できます。方法は2つで、指標の日時をあらかじめ登録しておく方式と、外部から経済指標カレンダーを取得する方式です。前者は動作が安定する代わりに毎月の登録作業が残り、後者は自動化できる代わりに外部への依存と通信設定が増えます。費用と納期が変わる部分なので、希望を先に伝えていただけると見積りが早くなります。
- 今使っているEAに時間の条件だけ足せますか?
- ソースコード(mq4ファイル)が手元にあれば、多くの場合は改修で対応できます。実行ファイルしかない場合は中身を書き換えられないため、同じ動きを作り直す形になり費用は新規制作に近づきます。市販EAは販売者の規約で改造が禁じられていることがあるので、事前にご確認ください。
- 時間を絞ると成績は良くなりますか?
- 良くなるとは限りません。効果が出るのは、その時間帯に参加者の偏りがある場合です。偏りのない時間帯を切り取っても取引回数が減るだけになります。また回数が減ると検証で優位性を判断しにくくなるため、検証期間を長めに取る手当てが要ります。
- 日付をまたぐ時間指定はできますか?
- できます。ただし「22時から翌2時まで」のように日をまたぐ指定は、単純な比較では条件が成立しないため実装の書き方が変わります。日をまたぐ運用を想定している場合は、その旨を最初に伝えていただくと実装漏れを防げます。
- MT5でも時間指定EAは作れますか?
- 作れます。当社が販売している既製EAはMT4専用ですが、制作のご依頼はMT4・MT5どちらも対応しています。時刻を判定する仕組みはどちらの環境にもあるため、時間指定という要件自体はプラットフォームを選びません。
時間指定EAをご検討の場合は、依頼前に決める6項目を手元で書き出すところから始めてください。6項目が埋まっていれば、当社でも他社でも見積りが早く出ます。当社 EA CreatorsLAB へのご依頼はココナラ経由で承っています。
※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、投資元本を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。過去の実績は将来の利益を保証するものではありません。


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