本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、投資元本を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。
裁量ルールのEA化は、数値で言える部分についてはできます。逆に「相場観で」「流れを見て」という判断は、そのままでは自動化できません。当社 EA CreatorsLAB は MT4/MT5 のEA制作を承っている開発工房で、EA制作は20,000円からお受けしています。本記事では、EA化できるルールとできないルールを軸で並べ、分解のしかたと依頼前に決めておくことを整理します。投資判断はご自身の責任で行ってください。
- 分かれ目は数値で言えるかどうか。価格・本数・時間・幅で表せる条件はEAにできる。
- 全部か無しかではない。入る条件だけ自動化して決済は手動、という形も取れる。
- 自動化しにくい判断も、何を見ているかを分解すると数値に置き換えられることが多い。
- EA化で消えるのは例外処理と見送りの判断。ここが成績の差になる。
- 最も多い失敗は全部を一度に自動化しようとすること。分けて出すと形になる。
- 言語化できていない状態でも相談は進む。分解は制作側の仕事でもある。
裁量ルールはEAにできるのか
できるかどうかは、そのルールを数値で言えるかどうかで決まります。EAは価格・本数・時間・幅といった数えられるものしか判断材料にできないため、条件がその形に落ちていれば自動化でき、落ちていなければそのままでは動かせません。
判断材料になるものは限られている
EAが見られるのは、価格・時間・出来高・インジケーターの計算結果・自分が持っているポジションの状態です。逆に言えば、これらの組み合わせで表せない条件は判断できません。チャートを見て感じ取っている情報も、突き詰めればこの中のどれかを見ていることが多いため、そこを掘り出す作業が入り口になります。
ここで大事なのは、できないと判定されるのはルールが悪いからではないという点です。裁量で機能している判断が、数値に落とすと形が変わってしまうことは普通にあります。それは自動化に向いていないというだけで、手法そのものの良し悪しとは別の話になります。
全部か無しかではない
誤解されやすいのがこの点です。EA化は、エントリーから決済まで全てを任せる形だけではありません。入る条件だけを自動化して決済は自分で行う、条件が揃ったら通知だけ出して発注はしない、といった部分的な自動化も選べます。
実際、判断のうち自動化しにくい部分が1つだけという場合は、そこを人が担当する構成にすると全体が成立します。知らせるだけでよいのであれば、インジケーター側に通知を足す形のほうが軽く済むこともあります。この考え方は インジのアラートは後から付けられるか にまとめています。
EA化できるルールとできないルール
実務で見ていると、数値で定義できるもの・条件を足せば定義できるもの・そのままでは定義できないものの3つに分かれます。多くの依頼は真ん中に入ります。
| ルールの言い方 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 移動平均線が上向きで価格が上抜けたら買う | そのまま可 | 全て数値で判定できる |
| 直近の高値を超えたら乗る | そのまま可 | 「直近」を本数で決めれば確定する |
| 上位足の流れに沿った方向だけ狙う | 条件を足せば可 | 「流れ」を何で測るかを決める |
| 勢いが出てきたら入る | 条件を足せば可 | 値幅・本数・傾きのどれかに置き換える |
| レンジを抜けたら追う | 条件を足せば可 | レンジの定義を数値で決める |
| 相場つきが良いときだけやる | そのままでは不可 | 良い状態の定義が無い |
| ニュースの内容を見て判断する | そのままでは不可 | 文章の意味は判定材料にできない |
| 危なそうなら見送る | そのままでは不可 | 見送りの条件が言語化されていない |
真ん中の行が一番多い
相談の大半は、条件を足せば定義できるところに入ります。裁量で見ているものが無いのではなく、言葉にした段階でまだ数値になっていないだけ、という状態です。ここを一緒に詰める工程が仕様の確定にあたります。
逆に、下の行にあたる判断が売買の中心にある場合は、EA化しても元のルールとは別物になります。似ているけれど違うものを作ってしまうのが最も避けたい結果なので、当社では最初にここを確認しています。
自動化しにくい判断を分解する
そのままでは動かせない判断も、何を見てそう判断しているのかを掘ると数値に届くことが多くあります。ここは制作側が質問しながら進める部分なので、依頼者側で完璧に言語化しておく必要はありません。
「上位足の流れを見る」を分解する
この言い方をされたとき、実際に見ているのは上位足の移動平均線の向き、直近の高値安値の切り上がり、一定期間の値幅のいずれかであることがほとんどです。どれを見ているかが決まれば、上位足の値を参照する条件として書けます。
複数を同時に見ている場合は、どれが主でどれが補助かを決めます。全部を条件にすると成立する場面が極端に減り、実運用でほとんど発注しないEAになります。条件を足すほど当たりは減るという関係は、依頼の段階で共有しておきたい部分です。
「勢いがある」を分解する
勢いは、直近数本の値幅、同じ方向に続いた本数、傾きの大きさ、といった形に置き換えられます。どれを使うかで挙動が変わるため、過去のチャートで実際に入った場面を数個見せていただくのが最も早い確認方法です。その場面に共通して現れている数値を探します。
当社が制作する際も、まず数値の候補を出して、過去の同じ場面で成立するかを照合してから条件を固めています。感覚を言葉にしてもらうより、入った場面と見送った場面を並べて差を探すほうが精度が上がります。
ラインやチャートの形はどう扱うか
裁量で最も多い判断材料がラインです。ここは水平のラインと斜めのラインで扱いやすさが大きく違います。水平のラインは、直近の高値安値や一定期間の最大値最小値として数値で出せるため、そのまま条件にできます。
一方、斜めのトレンドラインは引き方が人によって変わるため、そのままでは条件になりません。実務では、傾きを持った移動平均線や一定期間の安値の切り上がりに置き換えて近い挙動を作ります。元の引き方と完全に同じにはならないため、置き換えた条件で過去の場面が再現するかを先に確認します。
三角持ち合いやチャートパターンも同様です。値幅が縮んでいることを一定期間の高値安値の差で測る、といった形にすれば近づけられます。形そのものを認識させるのではなく、その形が持つ数値の特徴を条件にするのが実装の考え方になります。
分解できないものは休む条件にする
どうしても数値にならない判断が残ることもあります。その場合は、それをエントリー条件ではなく休む条件として扱う方法があります。指標発表の前後は動かさない、特定の時間帯は止める、といった形にすると、扱いにくい判断を避ける設計になります。
時間で区切る制御は実装しやすい部類です。考え方は 時間指定で売買するEAは作れるか にまとめています。
EA化すると変わること
同じルールでも、人が回すときとEAが回すときでは結果が変わります。理由は勝ち負けの精度ではなく、人が無意識にやっていた調整がEAには無いからです。ここを知らずに移すと、想定と違う動きに見えます。
| 場面 | 裁量でやっていたこと | EAでの扱い |
|---|---|---|
| 条件は揃ったが違和感がある | 見送る | 条件が揃えば入る |
| 調子が悪い日 | ロットを落とす / 休む | 同じロットで続ける |
| 想定より伸びた | 利確を伸ばす | 決めた位置で閉じる |
| 指標発表の直前 | 手を止める | 条件を入れない限り動く |
| 寝ている時間 | 取引しない | 条件が揃えば取引する |
消えるのは見送りの判断
表の1行目が最も効きます。裁量では条件が揃っていても入らない場面があり、それが成績を支えていることがあります。EAはその判断を持たないため、同じルールでも取引回数が増え、結果が変わります。
逆に、寝ている時間も動くという点は利点になります。取引回数が増えること自体は悪いことではなく、見送っていた場面の内訳を知っているかどうかが分かれ目です。ここを把握しないままEA化すると、想定と違う結果を見て手法のせいだと考えてしまいます。
取引回数が増えると効いてくるもの
回数が増えると、1回あたりでは気にならなかったスプレッドと手数料が積み上がります。裁量で月に数回だった取引がEAで数十回になると、同じ勝率でも手元に残る額は変わります。狙う値幅が小さい手法ほどこの影響は大きくなります。
そのため当社では、想定される取引回数を先に見積もり、1回の平均利益がスプレッドの何倍あるかを確認しています。ここが薄い場合は、条件を絞って回数を減らす方向で設計を見直します。裁量では無意識に避けていた場面が、EAでは全部拾われるという構造がここにも表れます。
依頼の前に決めておく6項目
決まっていない状態でも相談は進みますが、6項目が埋まっていると見積りが早く確定します。埋まらない項目があっても、そこを一緒に詰めるところから始められます。
過去の取引を数個見せると早い
言葉で説明しにくい場合、実際に入った場面のチャート画像を数個お送りいただくのが最も早い方法です。あわせて、条件は近かったが見送った場面もあると、条件の境目がはっきりします。書き方の型そのものは EA制作の仕様書はどう書くか にまとめています。
自分で作る場合と依頼する場合
ここまでの内容は、MQLを学べばご自身で作ることもできます。分かれ目は、条件の分解と検証にかけられる時間です。書くこと自体より、条件を数値に落として過去の場面と照合する工程のほうが時間を使います。
自分で作るほうが向いている場合
条件を少しずつ変えながら試したい場合は、自作のほうが回転が速くなります。1回作って終わりではなく、育てていく前提であれば、自分で書けるようになる価値は大きくなります。入口は EA自作の完全ガイド にまとめています。
依頼したほうが向いている場合
条件がすでに固まっていて形にしたいだけであれば、依頼のほうが早く済みます。当社の場合、EA制作は20,000円からで、目安総額は20,000円から53,000円の範囲に収まることが多くなっています。複数通貨対応やナンピンの組み込みなど、条件が増えると加算されます。
当社 EA CreatorsLAB が提供する有料制作サービスの料金です。仕様書の作成・動作確認サンプル・パラメータ説明書・納品後30日の無償保証が含まれます。確定金額は見積りでご確認ください。相談の段階で費用はかかりません。
費用の内訳の考え方は EAの制作依頼はいくらか に、自作と外注と既製品の比べ方は EAは自作・外注・既製品どれがよいか にまとめています。
EA化でよくある失敗
相談を受けていて繰り返し見るのが一度に全部やろうとする・良かった時期だけで決める・作り込みすぎるの3つです。どれも進め方の問題なので、順序を変えるだけで避けられます。
一度に全部を自動化しようとする
エントリーも決済もロット管理も休む条件も同時に詰めようとすると、決まらない項目が1つあるだけで全体が止まります。まずエントリーだけを形にして動かすと、残りの条件が具体的に見えてきます。決済は手動のままにしておく段階を挟んでも問題ありません。
段階の分け方としては、通知だけを出す形から始め、次にエントリーを自動にし、最後に決済とロット管理を載せる順序が扱いやすくなります。通知の段階で条件の当たり方を目で確認できるため、想定とずれていればコードを書く前に気づけます。当社でも要望が固まりきっていない場合は、この順序をご提案することがあります。
うまくいった時期だけを見てルールにする
直近の good な相場だけを見て条件を決めると、その相場でしか動かない条件になります。裁量では相場が変わったときに自然と手を止めていたはずですが、EAはその判断を持ちません。条件を決める段階で、うまくいかなかった時期の場面も並べて見るのが安全です。
検証で作り込みすぎる
数値を細かく調整すると過去の成績はいくらでも良くなりますが、そのぶん過去に合わせただけの条件になります。少し数値を動かしても結果が大きく崩れないことのほうが、成績の高さより重要です。この構造は EA最適化でオーバーフィッティングを防ぐ手法 と バックテスト成績だけのEAを信用してはいけない理由 に整理しています。
裁量ルールのEA化でよくある質問
- 自分の裁量手法をEAにできますか?
- ルールを数値で言える部分についてはできます。価格・本数・時間・幅で表せる条件はそのまま自動化でき、「相場観で」「流れを見て」といった判断はそのままでは動かせません。ただし何を見てそう判断しているかを掘ると数値に届くことが多いため、まずご相談ください。
- ルールをうまく言葉にできないのですが依頼できますか?
- できます。分解は制作側の仕事でもあります。言葉で説明しにくい場合は、実際に入った場面のチャート画像を数個お送りください。条件は近かったが見送った場面もあると、条件の境目がはっきりします。そこから数値の候補を出して照合していきます。
- 一部だけ自動化することもできますか?
- できます。入る条件だけを自動化して決済は手動にする、条件が揃ったら通知だけ出して発注はしない、といった形も選べます。判断のうち自動化しにくい部分が1つだけという場合は、そこを人が担当する構成にすると全体が成立します。
- 同じルールならEAでも同じ成績になりますか?
- なりません。裁量では条件が揃っていても違和感があれば見送るという判断が入っていることが多く、EAはそれを持たないためです。調子が悪い日にロットを落とす、想定より伸びたら利確を伸ばす、といった調整も同様です。取引回数が増える方向に変わります。
- ニュースを見て判断する部分はどうなりますか?
- 文章の意味は判定材料にできないため、そのままでは自動化できません。この場合はエントリー条件ではなく休む条件として扱う方法があります。指標発表の前後は動かさない、特定の時間帯は止めるといった形にすると、扱いにくい判断を避ける設計になります。
- 条件は多いほうがよいのでしょうか?
- 増やすほど成立する場面が減ります。全ての条件を同時に満たすことを求めると、実運用でほとんど発注しないEAになります。複数の判断材料を見ている場合は、どれが主でどれが補助かを決めておくと、動く回数と精度のバランスが取りやすくなります。
- 費用と納期はどのくらいですか?
- 当社の場合、EA制作は20,000円からで、目安総額は20,000円から53,000円です。複数通貨対応は+5,000円、ナンピン・マーチンの組み込みは+8,000円、経済指標フィルタは+3,000円、2〜3日の特急対応は+5,000円が加算されます。納期は要件によるため、見積り時にお伝えします。
まず入った場面と見送った場面を数個ずつ書き出してみてください。この2つを並べると、条件の境目が数値で見えてきます。言語化しきれていなくても構いません。当社 EA CreatorsLAB では可否の相談に費用はかかりません。ご依頼はココナラ経由で承っています。
※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、投資元本を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。記載の料金は当社のものであり、内容により変わります。


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